朝礼前、職員室のコピー機トラブル解決・・・授業に間に合う?
始業前、コピー機の画面が赤く点滅した瞬間、小さな戦場と化す日がある。
雨の日のコピー機トラブルを通して、新人の田中陽奈は「学校を支える事務の仕事」のリアルを体験する。
鈴木主任の冷静な対応と、トラブルの原因とは?
学校は、事務が整って初めてスムーズに動き出す。
この記事では、現場で培った知見から、トラブル対応をチーム力に変えるヒントを紹介します。
朝の小さな戦場、コピー機トラブル
午前8時10分。雨がしとしと降る中、職員室はまだ静かだった。

あれ?コピー出てこないです!
コピー機の前で固まるのは、新人事務員・田中陽奈。
慌てて紙を引っ張ろうとしているが、完全に詰まっている。

紙詰まりね。雨で用紙が湿ってると、よくあることよ。
鈴木主任は、急ぎの印刷は事務室のコピーを使うように教員に案内した後、コピー機のカバーを開けてローラーを外し、湿った紙を慎重に取り除き乾いた新しい用紙を補充した。

え、雨だけでコピー機って止まっちゃうんですか?

そうなの、今日のように湿度の高い日は、コピー機の中の紙が湿めっていて、紙送りがうまくいかなくて詰まることが良くあるのよ。機械の故障というより、ちょっとした“環境変化”のせいってことが多いのよ。
午前8時25分。コピー機は「ウィーン」と再起動音を鳴らし動き始めた。
予鈴のチャイムと同時に復旧完了だ。

良かった、コピー機 順調に動き出しました !!

これで今日も学校が回るわ、朝礼前に間に合って安心したわ。

先生たちが次々にプリントを取りに来て「助かりました!」と声をかけてくれた。
陽奈は少し誇らしげに笑う。
・雨の日など空気中の湿度による、用紙の湿度の問題。
・コピー機のトレイの中の用紙の一枚が折れていた。(特に一番下の用紙)
・コピー機のトレイに、用紙が真っ直ぐにセットされていない。
メーカーのメンテナンスサービースを呼ぶ前に用紙の状態を確認する事。
原因は意外と些細なことかもしれない。

今回は、メンテナンスサービスを呼ぶ必要はなかったわ。
自力で無理な場合は、コピー機の側面に、保守契約先の電話がが書いてあるから、サービスに連絡してね。
属人化の壁と解決策
トナーや用紙の場所も、まだ陽奈は把握できていない。

あら! トナーも、もうすぐ切れる”注意表示”が出ているわね。

確かトナーは、職員室の後方の棚にありましたよね・・・?

先日、年度初めの掃除で、先生が職員室だと邪魔だからって、
印刷室に持って行ってたわ。その前は、近くにあった方が便利って、他の先生が職員室に持って来てたんだけどね。一緒に来て。
鈴木主任が印刷室にトナーを取りに行く後を、陽奈は着いていく。
「学校事務は、小さなトラブルに日々向き合う仕事なんだ」と実感した。

朝からこんなにバタバタするんですね。(陽奈は小さく笑った)

授業が始まる前に、学校がスムーズに動き出すようにするのが事務職なの。

次は、用紙やトナーの置き場所をマップにします!

いいわね。誰でも分かるように “学校事務の見える化” 第一歩よ。

学校事務の朝に学ぶ “現場のしくみ”
学校事務の朝は戦場
生徒の登校前の時間も、印刷・備品・先生方の対応などで意外と忙しい。
保護者からの、電話連絡の対応にも追われる。
「朝、職員室のスムーズな始まり」は、事務職員の準備に支えられている。
属人化がトラブルを生む
備品の置き場所や発注ルールが人によって異なると混乱の元。
→ 在庫リスト・共有マップで「誰でもわかる仕組み化」を。
“見えない仕事”ほど学校を支える
表に出ない努力が学校の運営を支えている。
それを言葉や仕組みで「見える化」することが、これからの学校事務の力になる。
- コピー機の紙詰まりの原因は“湿気”にあった。
- 焦って機械のせいにせず、冷静に「状況を把握する」ことが大切。
- 事務の仕事は、トラブルを「経験だけで片づけない」工夫が必要。
- 気づきを共有することで、“属人化しない職場”が育つ。
新人の田中陽奈にとって、この雨の日の出来事は、
“ 職場での経験 ”の最初の1ページになった。
年度末、数字と格闘する陽奈。鈴木主任の一言が、仕事の本質を教えてくれた。