提出期限に負けない!! 書類整理の秘訣
年度の切り替え時期、机の上は申請書や報告書でいっぱい。
陽奈は「どれが優先か分からない」と混乱する。
鈴木主任は“ 整理のコツ ”を「 片づけ 」ではなく「 動線 」で考えるよう助言。
提出期限に追われない、“ 流れに合わせて整える ” 整理術を伝授する。
書類の山に埋もれる毎日を抜け出す鍵は、
「 置き場所 」ではなく「 使う順番 」だった
机の上が書類で埋まる季節
春。年度が変わるこの時期、事務室の机は書類であふれていた。
支払依頼、年度末報告、補助金の申請書——どれも「期限厳守」。

鈴木主任…この書類、どれから手をつけたらいいんでしょうか……?
陽奈は書類の束を前に、思わずため息をついた…。
新人の陽奈には、どれも重要そうで、どれも期限が近いように思えてしまう。

陽奈さん、まずは落ち着いて。
書類の“ 種類 ”より“ 動き ”を見ましょうか。

鈴木主任の書類整理術——“ 置く ”ではなく“ 流す ”

書類の整理って、モノを置くことだと思ってる人が多いの。
でも事務の整理は、“ 流れを作ること ”なのよ。
鈴木主任は、机の端に3つのトレイを並べた。

私はね、「受け」「処理中」「提出準備中」で分けてるの。
書類がどの段階にあるかが分かれば、優先順位も自然に見える。

なるほど……モノを置く順番じゃなくて、動かす順番ですね。

そう。事務の整理は“ 流れる机 ”を作ること。
流れが止まると、仕事も止まるの。

デジタルでも“流れ”を意識する

学校のサーバー上のフォルダも同じよ。
「 依頼受領 」「 確認済 」「 提出完了 」みたいに、
作業の” 進捗度合い “に分けて並べるといいのよ。
誰が見ても、どこまで進んでいるかが分かるから。
陽奈は、今までフォルダを“ 種類ごと ”に分けていたことに気づいた。
種類で分類すると、探すたびに迷子になる。
流れで並べると、進捗が一目で分かる。
一つ一つの仕事を「提出完了」できた、達成感も得られる。
整理の本質は「 期限管理 」ではなく「 流れ管理 」
“ 期限に追われない ”っていうのはね、“ 流れに乗れている ”ということ。

書類の整理って、ただ片づけることじゃないんですね。

そう。書類は「人と人のやりとりの証拠」だから。
どこから来て、どこへ行くのか——
その流れを整えるのが、事務の仕事なのよ。

なるほど…鈴木主任の整理術、分かりやすいですね!
2人の会話を聞いていた美咲も、うなずきながら納得の表情をした。
まとめ
🔸 書類整理は「 置くこと 」ではなく「 流れを作ること 」
🔸 トレイやフォルダを“ 進捗段階 ”で分けると、仕事の優先順位が見える。
🔸 サーバー上の整理も“ 流れ ”で管理すると迷わない。
🔸 “ 期限 ”に追われるのは、流れが止まっているサイン。
🔸 書類整理とは、“ 流れを止めない工夫 ”そのもの。
書類整理は「置く場所をつくること」ではなく、「流れをつくること」という発想に切り替えるだけで、日々の仕事がずいぶん軽くなる。
トレイやフォルダを進捗段階ごとに分けておけば、どの仕事が今どの状態にあるのかがひと目でわかり、優先順位に迷わない。
サーバー内のデータも同じで、案件のスタートから完了までの“動線”を意識してフォルダを作ると、探すストレスが減り、作業の抜け漏れも防げる。
期限に追われて息苦しくなる時は、たいてい流れが途中で止まっているサインで、無理に頑張るよりも、まず流れを再起動させる方が結果的に早い。
書類整理とは片づけとは違い、停滞しない仕組みを育てること。仕事の動き方そのものを整える行為に近い。こうした視点で整理を続ければ、机の上だけでなく、頭の中まですっきりしていく。
年に4回行っている、中学生と保護者を迎える「オープンスクール」は、新人の陽奈にとって初めての大きな行事。
陽奈は無事に中学生を迎えることが出来るのか?