学校事務の支出処理マニュアル|新人がつまずく原因と実務の流れ
学校事務の仕事の中でも、最初の難関になりやすいのが「支出処理」。
支出負担行為・支出命令・証拠書類……と、新しい言葉が一気に出てくるため、
新人が「どれがどれ?」と混乱しやすい分野です。
この記事では、現場で使える支出処理マニュアルとして、
基本の流れ/新人がつまずく理由/実務のコツを、分かりやすく解説します。
※ この記事では、支出処理の流れをわかりやすくするために「支出負担行為」「支出命令」など、公会計で使われる言葉を使用しています。
私立学校では、学校法人ごとに呼び方や手続きが少しずつ異なることがあります。
実際の運用については、所属する学校や法人の経理規程をご確認ください。
支出処理とは?学校事務の基本の流れ
学校事務の支出処理は、ざっくり分けると次の3ステップで進みます。
- 支出負担行為(契約・発注)
- 支出命令(支払いの指示)
- 証拠書類の確認(領収書・納品書のチェック)
支出負担行為とは
支出負担行為とは、「お金を支払うことが確定する行為」のこと。
具体的には、物品の発注、業者との契約、見積書の取得などが該当します。

支出負担行為??
まだお金を払っていないのに、処理が必要なんですか ??

言葉だけ聞くと難しく感じるわね。
たとえば
「体育館のワックスを発注」「机や椅子の購入を決定」など、
この時点で予算を“どれだけ使うか”が決まるのよ。
支出命令とは
支出命令は、支払いを行う事務室として
「この案件は支払ってOK」という正式な指示を出すことです。
負担行為→納品→確認が終わった後に、
校長や理事長など“決裁権者”の承認を得て、命令書を作成します。
ここでミスすると支払い遅れに直結するため、慎重さが求められます。
証拠書類の確認ポイント
支出命令の前に、証拠書類を必ずチェックします。
- 納品書と請求書は内容が一致しているか
- 金額・数量・日付に誤りはないか
- 契約書・見積書が揃っているか
ここが雑になると、後から会計監査で指摘されやすい部分です。
新人がつまずきやすいポイント
支出負担と支出命令の区別があいまい

支出負担行為と支出命令…どっちが先でしたっけ?

負担が先よ。
契約をして、予算を確定させて、そのあと支払う流れになるわ。

“買うと決める=負担”
“払う=命令”。
このセットで覚えておくとスムーズよ。
新人は用語に引っ張られて混乱しがちですが、
実務は “買う→納品→払う” という生活と同じ流れです。
証拠書類のチェック漏れ

請求書だけもらったので、支出命令出していいですか?

ストップ!! ちょっと待って。
納品書は? 見積書は?
3点セット(見積・納品・請求)が揃ってるか、確認してね。
必要書類が1枚欠けると、支払い手続きが止まり、業者対応が増えてしまいます。
新人のうちは“必要書類リスト”を手元に置くのが安心です。
締切と起案のタイミング

月末締めの命令書、今日の午後で大丈夫ですか?

今日の午後は、会議で校長(決裁者)が席にいないわ。
午前中に出すように変更出来る?
支出命令の締切は“起案の早さ”で決まります。
決裁ルート(校長・理事長など)を把握して、逆算する習慣が大切になります。
実務で役立つチェックリストと効率化の工夫
起案前に確認する3つのこと
- 書類(見積・納品・請求)の内容が一致しているか
- 負担行為の起案番号と紐づいているか
- 支払日・締切に間に合うかチェックしたか
この3つを押さえるだけで、ミスの大半は防げます。
Excelで作る支出処理の進行表
学校事務では、複数の支出処理が同時に走るため、
Excelで「進捗管理表」を作ると、一気に楽になります。
・起案番号
・契約日
・納品日
・証拠書類の確認状況
・支出命令の決裁日
・支払日
これを横一列に並べ、案件ごとにExcelに入力していくと、
“どこで止まっているか”がひと目でわかります。
書類整理のコツ
支出書類は、
「年度→部門→案件番号」
という階層でファイリングすると、後から探す負担が激減します。
特に年度末の監査前は、
この整理が効いて「探し物の時間」が大幅に減ります。
正確さとスピードを両立するコツ
支出処理は複雑に見えますが、
流れを理解し、必要書類を整えて、決裁までの時間を逆算できれば
自然とスムーズにこなせるようになります。
最初は慣れない場面が多くても、
一つひとつ経験を積めば、確実に“ミスの少ない事務”に近づいていきます。
支出処理は、最初こそ専門用語が多く戸惑いやすいのですが、流れが分かると
一つ一つがきちんと意味を持ってつながっていることが見えてきます。
特に、支出負担行為と支出命令の違いが分かるだけでも、日々の作業がぐっと楽になります。
また、証拠書類を丁寧にそろえておくことで、後の確認もスムーズに進みます。
さらに、起案のタイミングを意識すると、締切に追われにくくなります。
ゆっくり経験を積み重ねながら、自分なりのリズムを見つけていけば大丈夫。
焦らず丁寧に積み重ねると、事務の仕事は必ずあなたの成長を支えてくれます。
次の話では、さらに実務の深い部分に踏み込みます。