オープンスクールは、中学生とその保護者が学校を訪れる大切なイベントです。
表舞台では先生たちが授業体験や学校説明を担当しますが、その裏側では学校事務が申込データの管理・受付名簿の作成・当日の受付対応・保護者への費用説明など、多岐にわたる業務を担っています。
準備は当日だけでなく数週間前から始まり、150名以上が来校するイベントを学校事務が縁の下で支えています。
この記事では、私立高校で15年間、現役の事務主任として何度もオープンスクールを担当してきた私が、前日までの準備から当日の流れまでをリアルに解説します。
約150名の来校者をどのように迎えるのか、紙とExcelを使い分ける受付名簿の工夫、保護者からの費用に関する質問への対応方法——現場でしか分からないノウハウをお伝えします。
学校事務を目指している方にも、すでに働き始めたばかりの方にも参考になる内容です。
「学校事務ってこんな仕事もするんだ」と感じてもらえるだけでなく、実際の準備の流れもそのまま参考にしていただけます。ぜひ最後まで読んでみてください。
新人あかりオープンスクールは、先生方が中心の行事だと思っていました



事務は、準備も当日も忙しいのよ
行事がどれだけスムーズに進むかは、事前準備の良し悪しにかかっています。
そのため、先生方と事務室で作業分担をしながら準備を進めていきます。
オープンスクールまでの準備スケジュール
まず全体の流れを確認しておきましょう。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 1カ月から2カ月前 | 外注グッズの発注(ノベルティグッズ・校名入りバック) |
| 1週間前〜数日前 | 申込フォームの締切・参加データの集計・受付名簿の作成・外注資料発注 |
| 前日 | 資料の印刷・会場のセッティング・配布飲物購入・最終確認 |
| 当日 | 受付対応・保護者への費用説明・アンケート回収 |
それぞれの詳細を順番に見ていきます。
オープンスクール前日までの準備
① 申し込みデータから受付名簿を作成
オープンスクールでは、参加者の申し込みデータをもとに受付名簿を作成します。
この名簿の作り方によって、当日の受付のスムーズさが大きく変わります。
今回は、学校現場で実際に行っている受付名簿の作り方の工夫を紹介します。
まず、Excelで参加申込一覧表を作成します。
この一覧表は、教職員共有サーバーに保存し、職員全員が閲覧できるようにしておきます。
また次の名簿も作成します。
・受付名簿
・体験授業コース名簿
・部活動見学名簿
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EXCELで受付名簿を作りました。確認お願いします



名簿は、もう少し工夫が必要ね
受付名簿は「2種類」用意する
申込番号順の名簿だけでは問題があります。
実は多くの来場者は、自分のWEBの申込番号を覚えていないからです。
番号順の名簿だけだと、名前を探すのに時間がかかり、受付が混雑してしまいます。
そこで受付名簿は、Excel受付名簿とサブで紙の受付名簿の2種類を用意します。
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受付名簿は、二段構えなんですね
【 Excel受付名簿 】・・・列はこのように設定しています。
| 申込番号 | 中学校名 | 生徒氏名 | 参加人数 | 体験授業 | 部活見学 |
|---|---|---|---|---|---|
| 検索・並び替えの基準 | 絞り込みに使用 | フルネーム ふりがな付き | 保護者を含む 人数把握 | 体験授業名 | 見学部活名 |
申込番号で検索すれば数秒で見つかるため、
受付の列が詰まりません。



紙の名簿は、中学校の並び順にも工夫が必要です
【紙の受付名簿】・・・紙の名簿は次の順番で並べると探しやすくなります。
① エリアで大分類する
(学校に近い中学校→市内→市外→県外の順)
② エリア内は中学校名の五十音順
③ 中学校内は生徒名の五十音順
④ 各行に申込番号も記載(後からのEXCEL転記用)
「〇〇中学校から来ました」と言われたら、
そのページを開けばすぐ見つかります。



最終的に、紙受付のデータもExcelに忘れず入力してね
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はい。来場者データを完成させます
Excel名簿は教職員共有サーバーで管理
共有サーバーにあれば校内のどこにいても、参加状況を確認できるのが大きなメリットです。
② 来校準備:ノベルティと資料封入
来校者への配布物も事務室で準備します。主な準備は次のとおりです。
- 校名入りのノベルティグッズの発注
- パンフレットや募集要項の封入
- アンケート用紙の準備
作業はタイムスケジュールを見ながら、
先生方と分担して進めます。
【来校者への配布物の準備】
- 校名入りノベルティグッズや飲み物の発注(納期・数量調整)。
- パンフレット・募集要項・アンケートなどの封入作業。
- タイムスケジュールに合わせて、作業分担を決めることが大事。
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ペンシルにも、学校の名前が入っているんですね



毎日使う文具は、自然に学校名を覚えてもらいやすいのよ
名入れノベルティグッズは納期がかかるため、数ヶ月前から発注しておく必要があります。
また来校者が分かりやすいように、配布資料は説明の流れ順に並べて封入します。
そのほかにも、
・靴袋
・傘袋(雨天時)
・ペットボトル(夏は冷やして提供)など、状況に合わせて細かな準備も必要です。
③ 学校説明資料の作成とリハーサル
学校説明では、授業料や補助金の説明を事務職員が担当します。
パワーポイントで説明資料を作成し、事前にリハーサルを行います。
各部署の説明時間を計測し、持ち時間を調整して本番に備えます。
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学校説明は事務の担当もあるんですね



お金に関する説明は、事務の役割ね
オープンスクール当日の仕事内容
受付での来場者応対
受付では次の業務を行います。
- 来校者の受付
- 資料・ノベルティ配布
- 当日参加者の追加登録
当日は、想定外のケースも少なくありません。
- 申し込みできていない
- 保護者が増えた
- 道に迷った
参加者の増減は、Excel名簿の更新や各部署への連絡も、その場で対応します。
配布資料は、参加人数の10%増しで準備すると安心です。



受付は学校の第一印象を決める場所よ
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はい。笑顔には自信があります
笑顔と声のトーンがとても大切です。
中学生は初めての高校訪問で緊張していることも多いため、まずは笑顔で迎えることを心がけます。
体験授業や部活見学を選択していない方には、学校の魅力を知っていただくために参加を促すことも受付の大切なお仕事です。
保護者へのお金の説明
学校説明のあと、個別相談を希望される保護者も多くいらっしゃいます。
相談内容は主に次の3種類です。
(入試直前は、必要経費の相談が特に増えます。)
・授業料
・入学金
・補助金制度
保護者対応のポイントは次の3つです。
・Q&A資料を事前に用意する
・専門用語を使わず、分かりやすく説明する
・ゆっくり丁寧に説明する
・ご家庭の事情に寄り添う(立ち入りすぎは禁物)
適切な補助金のご案内で金銭的な不安を解消して、安心して入学頂けるようにサポートします。
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お金の話は、難しいですね



今回は同席して、実際の対応を見て学びましょう
保護者対応の心構え
- 即答できることは丁寧に説明する
・Q&A資料に載っているもの
・これまで保護者対応で何度も答えていること - 不明な場合は「確認して後ほど連絡」と伝える
・「申し訳ありません。確認してメールでご返答させていただきます」
・連絡先メールアドレスをメモに控える
・当日中に他の事務職員に確認して、必ず返信する - 判断が難しい質問は、その場で管理職に相談する
・個別割引制度は学校の方針に関わるため、判断には注意が必要



想定外の質問こそ、丁寧に対応すると、保護者の学校評価が大きく変わります
イベント終了後の仕事
来校者が帰ってほっとしたのも束の間、オープンスクール終了後の作業も重要です。
主な内容は次のとおりです。
- 来場者のアンケート集計
- 各イベント担当者との反省点の共有
- 物品の片付け
- 忘れ物対応
- 外部講師の対応(手数料の支払い・タクシー手配)
イベントは、改善記録を残すところまでが仕事です。
改善することで、次回はさらに来校者の満足度の高いイベントになります。
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補助金の質問、多かったですね



お疲れ様。
補助金は制度が複雑だから、丁寧な説明が大事になるわ
必要経費が分かると、保護者も安心して入学を考えることができます。
保護者からよくある質問
オープンスクールで、保護者からよく寄せられる質問を、Q&Aでまとめました。
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事前に答え方を知っておくと、落ち着いて対応できそうです



事前にQ&A資料を作っておくと、対応もスムーズです
学校事務という仕事
事務室の仕事は、表には見えにくいですが、学校全体を支える大切な役割です。
オープンスクールで言えば、申し込みデータの集計、受付名簿の作成、配布物の準備、当日の受付対応、保護者への丁寧な説明——こうした一つ一つの業務が、訪れた中学生と保護者の「この学校を選ぶ」という決断につながっています。
受付で見せた笑顔、丁寧に説明した補助金の制度、想定外の質問に誠実に対応する姿勢。
こうした対応の積み重ねが、保護者からの信頼を生み出し、学校全体の評価につながります。
学校事務の仕事は、新入生一人ひとりの人生に関わる大切な場面に携わる仕事です。覚えることは多いですが、経験を重ねるごとに、この仕事の本当の価値と意義が見えてくるはずです。
事務職員の丁寧な仕事が、未来の生徒たちの人生の選択を支えているのです。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。






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