私は、私立高校で学校事務歴15年の事務主任です。
新任者が入ってくるたびに「最初の1年が一番大事」と伝えています。
「学校事務に採用が決まったけど、入ってからどんな仕事があるの?」
「4月から何を準備しておけばいい?」
そんな不安を抱えている方に向けて、新任1年目が特に知っておくべき月別の仕事内容と、私が実際に新人に伝えているアドバイスをまとめました。
学校事務の年間の流れを知っているだけで、気持ちのゆとりがまったく違います。
焦らず、一緒に確認していきましょう。
新人あかり1年間、何がいつ来るのか全然わからなくて…。



大丈夫。一緒に確認しましょう!


学校事務の1年間は「4月スタート」が基本
一般企業は1月〜12月で動くことが多いですが、学校は4月〜3月が1年間の単位です。
予算も、行事も、書類の締め切りも、すべて「年度」で動きます。
新任の方がまず覚えておくべきことは、この「年度の感覚」です。
【月別】1年間の仕事内容と新人が意識すべきポイント
4月 新年度のスタート月、とにかく動く!! 覚える!!
4月は学校全体が最も慌ただしい時期です。
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何から覚えればいいんですか…?



まず『優先順位を聞く』癖をつけるだけでOKよ。
主な業務
- 入学式の準備・式典事務
- 新入生の書類受付(生徒マスター、補助金、スポーツ振興センターなど)
- 在校生の新年度クラスを各種データに反映
- 教職員の新年度情報の更新(異動・採用)
- 年間行事予定の共有・カレンダー整理
新任へのアドバイス
4月は「覚えることが多すぎる」と感じるはずです。完璧にやろうとしないでください。
先輩に「これはいつまでに必要ですか?」と優先順位を確認しながら動くのが正解です。
メモは必ず持ち歩き、その都度メモを取りましょう。
5月 ゴールデンウィーク明けの気の緩みに注意
主な業務
- 学校基本調査報告書提出
- 生徒情報の整理
- 新入生校納金(授業料・教材費など)口座引落登録
- PTA総会資料作成、総会実施補助
新任へのアドバイス
GW明けは全員がなんとなくペースを落とします。でも学校の書類業務はペースを落とせません。「GW前に何を終わらせておくか」を意識する癖をつけると後がラクになります。
6月 会計監査・補助金・学校案内パンフレット作成
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先生から急ぎの依頼が来て、自分の仕事が進まない…



ルーティンワークを午前中に終わらせるのがコツよ。
主な業務
- 会計監査(前年度の3月決算までの監査)
- 補助金の書類受付・保護者問い合わせ対応
- 来年度のパンフレット作成
新任へのアドバイス
6月は「誰かに頼まれる仕事」が急増します。教員から「これ購入お願い」「名簿を作ってほしい」と突発的な依頼が来ることも。自分のルーティンワークを午前中に終わらせる習慣をつけておくと、午後の突発依頼に対応しやすくなります。
7月 夏休み前の駆け込み処理とオープンスクール
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もうすぐ夏休み!少しラクになりますよね?



7月後半が一番バタバタするのよ…先取りが大事!
主な業務
- 補助金・助成金申請書類の作成(自治体によって異なる)
- オープンスクール(全体的な学校案内+部活体験会)
- 夏季休業中の行事・施設利用の調整
- 夏季休業中の学校施設や設備の工事・点検の準備
- 職員健康診断
新任へのアドバイス
「夏休みに入れば少しラクになる」と思いがちですが、実際は、「夏休み前の締め切りラッシュ」が7月後半に集中します。余裕があるうちに先取りして進めておくのが賢いやり方です。
【注意】
「夏休みに入ればラクになる」は大きな誤解です。学生の夏休みとは違い
7月後半は夏季休暇前の締め切りが集中するため、
むしろ6月末から先取りして動き始めることが重要です。
8月 学校事務が”静かに動く”時期
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静かで、ちょっと一息つけますね。



この時期が質問のチャンス!遠慮なく聞いて。
主な業
- 予算の中間見直し・執行管理
- 2学期以降の準備(物品発注など)
- 施設管理・備品点検
- オープンスクール(全体的な学校説明+部活体験会)
新任へのアドバイス
8月は生徒が少なく、比較的落ち着いた雰囲気です。ここが「復習と整理の黄金期間」。
4〜7月にわからないまま流してしまった業務のやり方を確認したり、先輩に改めて質問したりするチャンスです。遠慮なく活用してください。
夏季休暇中は、生徒が不在のため校舎や設備の工事や点検を実施します。工事の規模によっては忙しくなる年もあります。
【 主任のコツ 】
8月は「質問のゴールデンタイム!」
4月〜7月に聞き流してしまった疑問を確認する絶好のチャンスです。
日頃書き溜めたメモをまとめて、一学期の疑問点を解決しましょう。
9月 2学期スタート・体育祭・オープンスクール
主な業務
- 体育祭に関する事務処理(物品購入、来賓案内など)
- 就職・進学書類の受付補助(3年生向け)
- オープンスクール(第3回目は、模擬授業)
新任へのアドバイス
二学期になり学校に慣れてくると、新人さんにも先生からの「お願いごと」が増えます。
依頼の優先順位の判断が難しければ、必ず主任や上司に確認してから動くこと。
独断で動いてミスをするより、一言確認するほうがずっと信頼されます。
10月 進路・就職書類の繁忙期・文化祭準備
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3年生の書類が多すぎて混乱してきました…



「誰が→誰に→いつ→何を」を図にしてみて。
主な業務
- 会計監査(前期監査 4月から9月)
- 調査書(内申書)・成績証明書の発行補助
- 3年進路書類(大学・専門学校・企業)へ書類送付管理
- 11月初旬に実施される文化祭準備
新任へのアドバイス
10月〜11月は3年生の書類が大量に動きます。
書類の「流れ」を図にして自分で整理しておくと、ミスが格段に減ります。
「誰が→誰に→いつまでに→何を提出するか」の流れです。
今年度前半(4月から9月)を対象に、公認会計士による会計監査が実施され、
新人も自分が関わった会計処理が監査対象となる、初めての会計監査となります。
11月 文化祭・オープンスクール・入学試験や年度末の準備
主な業務
- 文化祭(業者手配、備品管理、模擬店会計処理)
- オープンスクール(第4回は、入試過去問解説)
- 次年度の予算編成の下準備
- 入試準備(ネット出願手順書作成)
- 教職員の来年度に向けた調整補
新任へのアドバイス
文化祭では、ステージ業者の手配や講演者の対応、模擬店の会計処理など事前準備と事後は忙しくなりますが、文化祭の途中は、模擬店を散策する時間も取れるので、生徒や先生方の違う一面の見れる日でもあります。
「まだ11月なのに来年の話?」と感じるかもしれませんが、学校の予算や教職員の採用は、早めに動かないと承認が間に合わないことがほとんどです。
先輩が何を始めているかを観察して、一緒に動き始めましょう。
12月 年末の締めくくりと入試準備
主な業務
- 年末調整の書類回収・集計補助
- 冬季休業中の手続き案内
- 入学検定料納入開始
- 入試事務の準備開始
新任へのアドバイス
年末調整は教職員から「どう書けばいいの?」と質問が殺到します。
自分が詳しくなくても、「担当の◯◯さんに確認してみます」と即答できる体制を作っておくと安心です。
いよいよ入試シーズン突入です。12月は検定料の納入が始まります。
受験生の保護者からの問い合わせにも対応できるようにマニュアルを読み込んでおくことが大切です。
1月 入試シーズン・学校が一番緊張する時期
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入試当日、何かミスしそうで怖いです。



不安なことは必ず確認してね。聞き直しOKよ。
主な業務
- 出願書類受付(ネット出願の願書、調査書受付)
- 入試当日の事務サポート
- 合否通知作成・入学手続き書類の準備
- 合否通知発送
新任へのアドバイス
入試の日は、先生も事務も全員が神経をとがらせています。
指示をきちんと聞いて、確認を怠らないこと。「わかった気がするけど不安」なときは必ず聞き直しましょう。
合格通知の発送業務は、1年間の中でも最もミスの許されない業務の一つです。
事前準備を充分に行い、一つ一つ確実に処理しましょう。
2月|入学手続き・3年生卒業準備の両立
主な業務
- 新入生の入学手続き書類の受付・確認
- 新入生の制服採寸
- 卒業証書・卒業証明書の準備
- 3月の卒業式に向けた事務調整
新任へのアドバイス
2月は「入ってくる人の書類」と「出ていく人の書類」が同時に動くため、混乱しやすい時期です。ファイルの色分けや付箋など、自分なりの整理術を持っておくと助かります。
3月|年度末の集大成。ここを乗り切れば1年完了!
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やっと今年度が終わった〜!へとへとです(笑)



お疲れ様。もう立派な2年目の事務職員ね。
主な業務
- 卒業式の事務処理(式典・証書・名簿)
- 在校生の修了書類・出席記録の整理
- 合格者説明会資料作成
- 年度末の予算締め・物品整理
- 退職者手続き
新任へのアドバイス
3月は「終わり」と「始まり」が重なる最も忙しい月のひとつです。
でも、ここを乗り越えたあなたは立派な2年目の事務員です。
3月末には、1年前の自分と今の自分がどれだけ違うかを実感できるはずです。
1年目が終わったら、必ずやってほしいこと
1年間が終わったら、自分専用の「業務メモ」を整理する時間を作ってください。
「この月にこれをやった」「次はここに気をつけたい」という記録が、2年目以降の大きな財産になります。
私も新任のころ、先輩から言われて作り始めたメモが、今でも主任としての仕事に役立っています。
まとめ|1年目は「完璧」より「慣れる」ことが目標
| 時期 | ポイント |
|---|---|
| 4〜6月 | 覚える・聞く・メモする |
| 7〜9月 | 流れを掴む・先取りする |
| 10〜12月 | 独り立ちの意識を持つ |
| 1〜3月 | 1年の集大成・引き継ぎ意識 |
【 1年目が終わったら確認したいこと】
・自分だけの「業務メモ」を整理したか?
・来年の同時期に何をすべきかメモしたか?
・先輩への1年間の指導への感謝を伝えたか?(意外とこれが大事)
学校事務の1年目は、とにかく「慣れる」ことが最大の目標です。
ミスをしても大丈夫。大事なのは、同じミスを繰り返さないこと、そしてわからないことを正直に言える関係を職場で作ることです。
来年のあなたが「去年より絶対ラクになった!」と感じられるよう、1年間、一歩一歩進んでいきましょう。
この記事を書いた人 私立高校で学校事務歴15年。現在は50代の主任として、新任スタッフの育成にも携わっています。このブログでは、学校事務の実務やキャリアについて、現場のリアルをお伝えしています。








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