「学校事務に興味はあるけれど、“私立”ってどんな働き方なんだろう?」「そもそも公務員なの? 給料は? どうやってなるの?」——そんな疑問を持って検索しても、出てくるのは求人サイトばかり。
私立学校の事務室で実際に働く人の本当の声は、なかなか見つかりませんよね。
この記事を書いているのは、私立高校の事務室で15年働き、現在は主任を務める現役の事務職員です。採用する側として応募書類を読み、面接にも同席してきました。だからこそ、求人票やパンフレットには載らない「私立学校事務のリアル」を、内側からお伝えできます。
この記事を読めば、公立(公務員)との決定的な違い・年収のリアル・求人の探し方・採用側が見ているポイントまで、私立を目指すうえで知っておきたいことが一通りわかります。
異動がない働き方のメリットも、入試事務の大変さも、包み隠さず正直に。
ちなみに、私立の求人は表に出ないまま、転職サイトの“非公開求人”として動くことも少なくありません。
今すぐ転職する気がなくても、どんな募集があるか覗いておくだけで、選択肢はぐっと広がります。
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「自分に私立は合っているのか?」——その答えを見つける材料を、ここに全部そろえました。
まずは、いちばん多い誤解から解いていきましょう。
新人あかり私、「学校事務=公務員」だと思っていました…!



それ、いちばん多い誤解なの。まずそこから説明するわね
私立の学校事務は「公務員ではありません」
最初に、いちばん大事なことから。
公立学校の事務職員は地方公務員。私立学校の事務職員は、学校法人に雇用される職員です。立場としては、会社員に近いイメージですね。
| 比較項目 | 公立学校の事務 | 私立学校の事務(私はこちら) |
|---|---|---|
| 身分 | 地方公務員 | 学校法人の職員(民間) |
| なり方 | 公務員試験に合格 | 各学校の採用選考に応募 |
| 異動 | 数年ごとに学校間異動あり | 原則なし(同じ学校でずっと) |
| 給料 | 自治体の給料表で一律 | 学校法人ごとに異なる |
| 安定性 | 身分保障が手厚い | 法人の経営状況に左右される |
つまり、同じ「学校事務」でも、公立と私立は採用の入口から働き方まで、ほぼ別の職業と言っていいくらい違います。公務員試験の勉強が必要なのは公立だけ。私立は、転職活動と同じ流れで応募できます。
公立とここが違う①:異動がない
私がこの仕事を15年続けてきて、私立でいちばん大きいと感じる特徴は「異動がない」ことです。
実は、私学で働く教職員へのある調査でも、「私学で働く魅力」の第1位は「転勤がなく、一つの学校で長く働けること」でした。教員向けの結果ですが、事務職員の私も、まったく同じように感じています。
公立の事務職員は数年ごとに学校を移ります。一方、私立は基本的に同じ学校でずっと。これには両面があります。
- 学校の歴史や卒業生まで含めた「学校のことなら何でも分かる人」になれる
- 入学から卒業まで、生徒の成長を3年間見届けられる
- 仕事のやり方や人間関係をゼロから作り直す必要がない
- 人間関係が合わないときに「異動でリセット」ができない
- 同じ業務の繰り返しに感じる時期もある
- 他の学校のやり方を知る機会が少なく、視野が広がりにくい
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転勤がないのは、生活設計がしやすそうです



そこは私立の大きな魅力ね。
家を買う、子育てをする——人生の計画が立てやすいの。
公立とここが違う②:仕事が「学校経営」に近い
公立の事務は、教育委員会の決めたルールの中で給与・旅費・備品などを扱う、行政事務の色が濃い仕事です。
私立の事務は、それに加えて「学校が選ばれ続けるための仕事」が入ってきます。
- 入試・募集に関わる事務(願書受付、入試運営、説明会)
- 広報の手伝い(オープンスクール、パンフレット)
- 授業料・寄付金など、法人の収入に直結する経理
- 行事の運営サポート
少子化の時代、私立は「生徒に来てもらえなければ成り立たない」世界。
だからこそ事務室も、学校経営の一翼を担っている実感があります。ここが私立事務のやりがいの核だと、私は思っています。
もうひとつ、私立で働いて感じるのは、教職員みんなの「学校への帰属意識」の強さです。人が頻繁に入れ替わらないぶん、「この学校を、自分たちの手でもっと良くしていこう」という気持ちが、先生にも事務にも自然と根づいています。
事務室も、その輪の一員です。学校が良くなっていくことが、そのまま自分たちの達成感になる——この一体感は、私立ならではだと感じます。
公立とここが違う③:安定性は「学校しだい」
「公務員じゃないなら、私立って不安定なの?」——これは、私が就職相談でいちばんよく受ける不安です。
正直にお答えすると、公務員のような“身分保障”はありません。そこは公立のいちばんの強みです。ただ、だからといって「私立=不安定で危ない」かというと、それも違います。私立の安定は、ひとことで言えば「どの学校(法人)で働くか」でほぼ決まるのです。
- 生徒が集まっている、歴史のある学校 → 一般の会社員と比べても、むしろ安定しているくらい。私自身、同じ学校で15年、安心して働いてきました
- 少子化で生徒数が減り続けている学校 → ここは正直、注意が必要です。生徒数は、私立の経営そのものだからです
だからこそ、私立では「学校選び」がそのまま「将来の安定」になります。応募する前に、できれば次の3つを見てください。
- ここ数年の生徒数・志願者数が、年々減り続けていないか
- 学校の歴史や地域での評判(長く続いていること自体が、一つの安心材料)
- 系列校や複数の学校を持つ法人か(規模の大きさは、経営の余力につながります)
ただし、「定員割れ」だけで判断するのは早計です。第二次ベビーブーム期の多い定員のまま見直していない学校もあり、その場合は毎年“定員割れ”に見えても、実態は健全なことがあります。
大事なのは定員との差より、生徒数そのものが減り続けていないか。生徒数は学校の公式サイトや学校案内で、志願者数・倍率は「入試結果」ページで、数年分を並べて確認できます。
公立のような一律の安心はない代わりに、良い学校を選べば、長く根を張って働ける。これが私立のリアルです。
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私も入る前は「私立って不安定そう」と少し不安でした



みんな最初はそう思うのよ。でも私立の安定は【学校しだい】
生徒さんが集まっている学校を選べば、長く安心して働けるわ
学校事務のやりがい、事務室から見守る生徒の「困った」と「その後」
事務職員は、教員ほど生徒と深く関わるわけではありません。授業も部活もありませんから、接点はどうしても少なくなります。生徒が事務室に来る用事は、校納金の支払いや在学証明書の発行、進路に関わる書類の依頼など、事務的なものが中心です。
でも、それだけではありません。ちょっとした困りごとや頼みごとで、生徒が事務室を訪ねてくることもよくあります。
- 自転車の鍵をなくした、定期券を落とした
- おうちの人が届けてくれた忘れ物を受け取りに来る
- 帰りのホームルームのあと、教室で自習する生徒から「エアコンをつけて」と頼まれる
- 最近は、ICT機器の相談も増えました(「学校のWi-Fiにつながらない」「画面が割れてしまった」など)
事務室は、こうした「小さな困った」をその場で解決してあげられる場所です。だからでしょうか、生徒から「ありがとうございました」と感謝される場面が、意外とたくさんあるんです。
窓口での小さなやりとりですが、私はこの時間がけっこう好きです。
そして——ここが私立ならではなのですが、その生徒たちが卒業生として学校を訪ねてくるときも、窓口は事務室です。
来校者の受付に名前を書いてもらった瞬間、当時の記憶がふっとよみがえることがあります。「ああ、あのとき鍵をなくして困っていた子だ」と。そこから、つい昔話に花が咲くことも。
異動がない私立では、先生だけでなく、事務のメンバーも長く変わりません。だから卒業生は、「自分を知っている人」に会いに帰ってこられます。
事務室の担当が代わっていれば、「あの職員さんは、今は?」と尋ねられることもあります。人が変わらない——これは、私立のあたたかさのひとつだと思います。
先日も、忘れられない再会がありました。姉妹で卒業した二人が、赤ちゃんを連れて顔を見せに来てくれたんです。在校時は決して順風満帆ばかりではなかった二人でしたが、ちゃんと卒業して、今こうして笑顔で帰ってきてくれる。その幸せそうな姿に、私は温かな気持ちになりました。
正直に言えば、何事もなく静かに卒業していった生徒は、事務室の記憶には残りにくいものです。
覚えているのは、部活でがんばった子、進路をつかみ取った子、そして「いろいろあったね」と言える子。長く同じ学校にいると、そんな生徒たちの「その後」に、ふとした瞬間に出会えます。これは、数年ごとに職場が変わる働き方では、なかなか得られないものです。
一つの学校に根を張って働く私立だからこそ味わえる、事務職員のささやかな、けれど確かなやりがい。私はそう思っています。
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事務室にも、そんなドラマがあるんですね。



目立つ仕事ではないけれど、長くいるからこそのご褒美ね。
窓口は学校の入口で、思い出の入口でもあるのよ
私立学校事務の給料・年収のリアル
検索でも多い質問——「私立学校の事務の年収は?」にお答えします。
正直な答えは、「学校法人によって、かなり差がある」です。公立が給料表で一律なのに対し、私立は法人ごとに給与規程が違います。
そして、私立で何より大きいのが——待遇を決めるのは「学校の規模」ではなく、「経営者である理事長の考え方」だということです。
理事長は、一般企業でいえば社長。同族で代々受け継ぐ学校も多く、その方針ひとつで、給与体系も賞与も大きく変わります。
そのため、近隣で同じくらいの規模の私立でも、待遇がまるで対照的、ということが珍しくありません。
・賞与が生徒数に連動して大きく変動し、生徒が少ない年は夏冬合わせて1か月ほど、という学校
・反対に、賞与は安定していて、生徒数で変わるのは一部の手当くらい、という学校
・査定が経営者の裁量で個人差が大きい学校もあれば、規程がきっちり整っていて変動が少ない学校も
「伝統校・大規模だから手厚い」とは、一概に言えないのが私立のリアルです。
だからこそ私立は、応募前に「その学校の待遇」を個別に確かめることが公立以上に大切です。
求人票の初任給だけでなく、賞与の実績月数・手当・昇給の有無まで見てください。
学校の公式サイトに求人が出ているときは、そこに給料の目安が載っていることもあるので、まずチェックしてみるのが手軽です。
私自身の給料の推移は、別の記事で具体的な数字を公開しています。


私立学校事務になるには【求人の探し方と採用の流れ】
公務員試験は要りません。その代わり、私立は「求人を見つける力」が勝負になります。各学校法人がバラバラに、必要なタイミングで募集するからです。
求人の探し方は4つ
- 学校公式サイトの採用ページ — 気になる学校があるなら定期的にチェック。ここにしか出ない募集もあります
- 都道府県の私学協会のサイト — ここは教員募集が中心で、事務の求人はあまり出ないのが実情です(私の県でも同様。地域差はあります)。一度は確認しつつ、なければ深追いしなくてOKです
- 転職サイト・転職エージェント — 「学校法人」で検索。エージェント経由の非公開求人として募集されるケースも少なくありません
- ハローワーク — 地元の学校法人の募集が意外と出ます
募集の時期
4月入職に向けた秋〜冬(9月〜1月頃)がいちばん動きます。ただし、退職に伴う欠員補充は年間を通じて突然出ます。「いつでも応募できる準備」をしておいた人が勝つ世界です。
選考の流れ
これも、決まった型があるわけではありません。選考のやり方そのものが、学校(=理事長の方針)によって大きく違うからです。
基本は「書類選考+面接」。学校によっては、作文や筆記(SPIなど)が加わったり、面接が複数回になったりします。大学を併設するような大きな法人では、何次にもわたる選考が行われることもあると聞きます。
一方で、縁故(コネ)での採用では、試験らしい試験がないこともあるようです。
結局ここも、経営者である理事長の判断しだい——給料と同じ構造ですね。
倍率も学校しだいですが、人気校には応募が集中し、高倍率になることもあります。
私の勤務校で新卒の学生を募集したときは、1人の採用枠に30人近くの応募があり、筆記試験を2日間に渡って行ったことがあります。
だから大切なのは、ネットで「一般的な流れ」を探すより、応募する学校ごとに、募集要項で選考方法を確かめることです。
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私は、書類選考→筆記(高校入試程度の学力テスト+作文)→面接 でした



正職員でも、基本は書類選考→筆記→面接の3ステップ。
パート採用なら、筆記は作文くらいで、もう少し軽いことが多いわ



それに、新卒は筆記もしっかり見るけれど、
転職組は試験より「これまでの経験」を重視するのよ。
学歴は関係ある?「大卒じゃないとダメ?」
これもよく聞かれます。結論は、「新卒か、転職かで変わる」です。
新卒で応募する場合は、正直なところ大卒(短大を含む)が有利です。募集要項では「高専卒以上」のように幅を持たせていても、試験や面接をすると、結果的に大卒の方が採用されやすい——というのが実感です。
新卒は、学歴以外に「確かなスキル」で差をつけにくいぶん、どうしても学歴が見られやすいのです。
一方、転職(中途)なら話は変わります。ここで評価されるのは学歴より、これまでの経験やスキル。
事務・経理・接客などの実務経験があれば、学歴のハンデは十分に取り返せます。
つまり、「新卒なら学歴、転職ならスキル」。自分がどちらで勝負するかで、アピールの仕方も変わってきます。


採用側として見てきた「私立で求められる人」
ここからは、書類を読み面接に同席してきた立場からの本音です。
私立学校の事務は、実は「経験者がとても重宝される」世界です。私立の事務は替えがききにくい専門職で、適任者が見つからないときには、公立で経験を積んだ方を迎えることもあるくらいです。
とはいえ、未経験の方にも道はあります。私たちが見ているのは、突き詰めるとこの3つです。
- 正確さと誠実さ — 授業料や個人情報を扱う仕事。派手さより信頼
- 長く働いてくれるか — 少人数の事務室で、1人の退職は大きい
- 「学校の顔」になれるか — 窓口対応の印象は、そのまま学校の印象になります。私立は“選ばれる学校”であるために、事務室の応対も見られています
志望動機の書き方は、例文つきで別記事に詳しくまとめています。私立への直接応募の例文も載せています。


私立ならではのキャリア【私の体験談】
私自身の話を少しさせてください。
私は入職5年目に、主任を任されました。前任者の退職にともなう、少し早い昇進です。
管理職を目指していたわけではなく、声がかかったときは正直おどろきました。迷って家族に相談したら「せっかくのチャンスだから頑張って」と背中を押してくれて、お受けすることに。
振り返って思うのは、私立は真面目にコツコツ積み上げた仕事を、ちゃんと見ていてくれるということです。異動がなく、同じ職場で長く働くからこそ、信頼の積み重ねがそのままキャリアになる——これは私立事務の、あまり知られていない魅力だと思います。
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年目で主任…! 私立って、頑張りが届く距離にあるんですね



組織が小さい分、一人ひとりの仕事がよく見えるのよ。
プレッシャーでもあり、励みでもあるわね
正直に。私立のきつい面も伝えます
良いことばかり書くつもりはありません。私立ならではの大変さも3つ、正直に。
- 入試事務の山が高い — 私立にとって入試は経営の生命線。2〜4月の繁忙期の濃度は、公立より高いと感じます
- 人間関係がリセットできない — 異動がない裏返し。少人数の事務室で合わない人がいると、長期戦になります
- 法人による「当たり外れ」がある — 待遇も職場環境も法人次第。だから応募前の見極めが本当に大事
学校事務の「きつさ」の実態と乗り越え方は、こちらの記事で詳しく書いています。


私立学校事務に向いている人
最後に、15年見てきた経験から。こんな方は私立に向いています。
- 一つの職場で腰を据えて長く働きたい
- 転勤・異動のない生活設計をしたい
- 正確さ・丁寧さで信頼を積み上げるのが得意
- 「学校を支える」だけでなく「学校を良くする」ことに関わりたい
- 環境の変化より、深く根を張る働き方が好き
逆に、いろいろな職場を経験してキャリアを広げたい方は、公立や一般企業のほうが合うかもしれません。
よくある質問(FAQ)
まとめ|私立の学校事務は「根を張って働く」選択肢
- 私立の学校事務は公務員ではなく、学校法人の職員。公務員試験なしで応募できる
- 異動がなく、長く・深く働ける。信頼の積み重ねがキャリアになる
- 給料・環境は法人ごとに差が大きい。応募前の見極めが何より大事
- 求人は分散している。学校サイト・私学協会・転職エージェント・ハローワークの4ルートで網を張る
私立の求人は、転職エージェントだけが持っている非公開案件も少なくありません。
「いつでも応募できる準備」として、登録だけ先に済ませておくのも賢い動き方です。
\ 学校法人の非公開求人も 豊富/
🔗 もっと深く学校事務について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください ↓






最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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