学校事務になるには?3つのルートと採用試験【現役15年主任が解説】

学校事務になるには?3つのルートと試験対策を現役15年目の主任が完全解説
この記事でわかること
  • 公立・国立・私立、3つのルートの違い
  • 気になる採用倍率の実データ(関東は1.6倍台の地域もある)
  • 合格するための対策と、必要な勉強期間

「学校事務になるには、何をすればいい?」

検索して、情報がバラバラのままたどり着いた人も多いはずです。

学校事務への道は「公立・国立・私立」の3つ。

試験の内容も準備期間も、まったく違います。

違いを先に知っておけば、「年齢制限で受けられなかった」「対策が間に合わなかった」という1年まるごとの遠回りを避けられるはず。

読み終わるころには、自分はどのルートを「いつから」「何から」始めるかが決まります。

書いているのは、私立高校で15年働く現役の事務主任。

採用面接に関わる「採用する側」の視点から、実データと経験でお話しします。

新人あかり

ルートが3つも……どれを選べばいいんですか?

えりか主任

大丈夫。まず3つの違いを知れば、自分に合う道が見えてくるわ

「どのルートが自分に合うのか」は、自分の強みが言葉になっていないと決められません。

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この記事を書いた人
ブログの著者で、学校事務職を15年勤めている、えりか主任です。

鈴木 えりか

  • 私立高校の現役事務主任(学校事務15年目)
  • 一般企業・金融機関の事務職を経て学校事務へ
  • 採用面接にも携わる立場(採用する側の視点で解説)
  • 公立との違い・給料・採用試験を実データ+実体験で解説
  • ブログは新人「あかり」さんとの対話形式でお届け

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目次

学校事務になるには?3つのルート

学校事務になる3つのルート
、公立学校・国立大学・私立学校を表した図解

タップすると拡大できます。

新人あかり

公立・国立・私立で、試験がこんなに違うんですね

えりか主任

まずは一番人数の多い“公立”から、くわしく見ていきましょう

公立のルート─ 地方公務員試験を受ける

公立は地方公務員試験に合格するルートで、3つの中でもっとも一般的。

  • 3つのルートの中で、採用人数が一番多い
  • 身分は地方公務員(安定した給与・福利厚生が保障される)
  • 自治体内での異動(転勤)がある
  • 数年ごとの異動で、いろいろな現場を経験できる
  • 初級区分は教養試験のみの自治体が多い(基礎を固めが必須)

一番採用人数の多い公立を目指すなら、公務員試験の対策がスタートライン。

「どのくらい勉強が必要?」とイメージがわかない人は、まず講座の内容と費用を見ておくと準備の全体像がつかめます。

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公立試験は、試験レベルで区分が分かれる

区分対象年齢の目安試験レベル
初級(高卒程度)18〜21歳程度高校卒業レベル
中級(短大・専門卒程度)20〜29歳程度短大・専門学校卒業レベル
上級(大卒程度)22〜30歳程度大学卒業レベル

※区分の呼び方は自治体によって違い(初級・中級・上級/1種・3種など)中級を置かない自治体もあります。

※年齢制限も自治体により異なるので、必ず受験予定の自治体の募集要項を確認してください。

公立試験は、1次→2次→適性検査の流れ

  • 1次:教養試験(マークシート)、区分によって作文(小論文)が加わります
  • 2次:面接(個別・集団)
  • 自治体によっては適性検査・集団討論あり

公立(公務員試験)の試験内容・難易度・勉強法は、まだあります↓

「学校事務は公務員?公立を目指すなら知っておきたい試験・難易度・対策」

国立のルート ─ 1次(統一試験)→2次面接

国立大学や高専を目指す人の試験は、国立大学法人等職員採用試験。

身分は公務員ではありませんが、「みなし公務員」として公務員に準じた待遇です。

試験は全国7地区で実施されます。(北海道・東北・関東甲信越・東海北陸・近畿・中国四国・九州)

試験はまず地区ごとの統一試験(1次)があり、合格後に各大学・高専が個別に面接を行うのが特徴。

受かったら即配属ではなく、面接を経て採用が決まります。

  • 1次:教養試験(一般知識+一般知能)
  • 2次:各大学・高専ごとの面接

私立のルート ─採用試験は、独自の内容

私立学校は、それぞれ独自に職員を採用します。

公務員試験のような統一試験はなく、民間企業の就活に近いイメージ。

私自身、一般企業から私立高校へ転職して学校事務の仕事に就きました。

学校ごとの選考なので、合否に影響するのは募集のタイミングと学校との相性。

【 選考の一般的な流れ】

  • 書類選考(履歴書・職務経歴書)
  • 筆記試験・小論文
  • 面接(複数回の場合もあります。)

【 求人の探し方 】

私立学校の求人は一般の転職サイトにも出ますが、以下のルートが見つけやすいです。

  • ハローワーク
  • 転職サイト(リクナビNEXT・リクルートエージェント・ビズリーチなど)
  • 学校公式HPリスト
  • 各都道府県の 私学協会のサイト

求人を探すなら、見落とされがちですが私学協会のサイトがおすすめ。

学校現場と直結した求人が出ます。

私が転職活動をしていたときも、一般の転職サイトより私学協会の情報のほうが、実際の学校の募集に近い印象でした。

新人あかり

私立は未経験でも応募できますか?

えりか主任

私も未経験スタートよ。ただし、経理や総務の経験があると有利ね

私立の学校事務について【年収や公務員との違い】を詳しく解説しています。↓

3つのルート、試験・難易度・給与の違い

項目公立国立私立
身分地方公務員非公務員
(みなし公務員)
民間
試験地方公務員試験統一試験+各大学面接学校独自選考
安定性◎○△〜○
給与水準安定(年功序列)安定学校による
求人自治体採用情報地区試験サイト転職サイト・私学協会
新人あかり

同じ学校事務でも、別物に見えますね

えりか主任

最初にどのルートを目指すか決めることからスタートね

倍率は? 公立学校事務 倍率マップ

新人あかり

倍率4〜7倍 ってネットで見ました、狭き門ですね・・・

えりか主任

それが、地域や実施年度でかなり違うのよ。最新データで見てみましょうか

公立の学校事務、競争倍率(年度ベース)

地域自治体区分令和6年度実施令和7年度実施
関東千葉県市町村立学校事務(中級)1.6倍3.4倍
関東千葉県市町村立学校事務(初級)1.7倍1.8倍
関東神奈川県1種(大卒程度)3.4倍2.5倍
関東神奈川県3種(高卒程度)4.1倍2.3倍
中部愛知県事務5.5倍4.5倍
関西大阪府義務教育諸学校事務5.0倍3.7倍

※ 競争倍率=1次受験者数÷最終合格者数で統一。

大阪府は採用年度表記のため、本表では実施年度に揃えています。

【 出典 リンク 】
・千葉県人事委員会「採用試験実施状況」
・神奈川県人事委員会「過去の試験・選考実施結果」
・愛知県人事委員会「市町村立小中学校職員採用試験 実施結果」
・大阪府教育庁「公立義務教育諸学校事務職員採用選考」

公立学校事務 倍率マップ、3つの傾向

公立学校事務 倍率マップからは、大きく3つのことが読み取れます。

  • 以前の目安だった4〜7倍は、今の関東には当てはまらず、直近2年は1.6〜4.1倍。

    ・千葉県の初級は1.7〜1.8倍で安定。神奈川県も令和7年度実施は2倍台。

    ・ただし千葉県の中級は1.6倍→3.4倍。年度による振れも大きい。
  • 中部・関西は、3.7〜5.5倍と徐々に下降

    ・愛知県は4.5〜5.5倍、大阪府は3.7〜5.0倍

    ・首都圏よりは、ゆるやかに下降
  • 都会=高倍率 は、単純には言えない

    ・大阪府(3.7〜5.0倍)より、千葉県・神奈川県のほうが低いという逆転現象。

    ・自治体の採用枠の組み方や受験者プール次第で大きく変わるのが実態です。
えりか主任

【 主任MEMO 】──最新かつ正確な倍率は必ず一次資料で確認すること

・受験予定の 都道府県・市町村の人事委員会サイト

・「採用試験実施状況」「選考実施結果」のPDF資料リスト

私立学校の倍率は?高い?

知名度のある進学校や中高一貫校などの人気校では、応募が集中して10倍を超えることも。

一方で、地方の私立や、欠員が出ての急募のケースでは低くなることもあり、タイミングと情報収集が鍵になります。

えりか主任

私の勤務校でも、年度末に急募になった年は、倍率が下がりました

合格するには、何を準備・対策する?

学校事務の採用試験に向けて勉強する受験者のイラスト
新人あかり

対策、具体的に教えてください!!

えりか主任

教養・小論文(作文)・面接の3本柱ね

対策① 公立・国立は、まず教養試験

教養試験は、「一般知能」と「一般知識」に分かれます。それぞれの特徴を理解して、効率よく対策しましょう!

新人あかり

一般知能の配点が高いんですね

教養試験の参考書の選び方・勉強の順番・6か月の勉強スケジュール、小論文(作文)の書き方は、それぞれ次の記事で詳しく解説しています。

対策② 私立は、面接で”3つの力”をアピール

私立は筆記試験の比重が小さく、面接で「欲しい」と思わせられるかが勝負です。

試験の形式は学校ごとに違いますが、採用側が見ている力は共通しています。

採用面接に関わる立場から言うと、次の3つ。面接で具体的に伝えられるよう準備しておきましょう。

採用側が重視する力面接でのアピールの仕方
事務処理能力Excel・Wordの実務経験を「◯◯を△分短縮した」など数字で示す
コミュニケーション力教員・保護者・生徒など”立場の違う相手”に対応した経験を語る
学校の教育方針への共感応募先の教育理念を事前に読み込み、共感した点を自分の言葉で伝える

「学校ごとに違う」と身構えるより、この3つの軸で準備すれば、どの学校でも通用します。

対策③ 面接試験でよく聞かれる質問

面接は、採用試験のなかでもいちばん不安を感じやすい場面です。何を聞かれるか分からない。

そう身構えてしまう人も多いでしょう。安心してください。よく聞かれる質問は決まっています。

【 よく聞かれる代表的な質問、4つ 】

  • なぜ学校事務を志望したのですか?
  • 学校事務の仕事内容を知っていますか?
  • チームで仕事をする際に心がけていることは?
  • あなたの長所と短所を教えてください

これらは事前に答えを準備しておけば、本番で慌てずに済みます。

とはいえ、用意した文章を“そのまま暗記する”のはおすすめしません。

えりか主任

自分の言葉で答える練習を。丸暗記は面接官に伝わります

面接でいちばん深掘りされるのが、1つ目の「なぜ学校事務を志望したのか」です。

えりか主任

「この学校だから働きたい」を語れるように、
ホームページやパンフレットを読み込んでください

採用側が見ているポイントと答え方を、詳しく解説しています。↓

学校事務の志望動機【例文6選・採用側が見るポイント】 

具体的な参考書の選び方・勉強の順番・通信講座の比較をまとめています。↓

学校事務の筆記試験対策|参考書の選び方と勉強の順番

社会人から学校事務に転職!! 遅くない?

社会人から学校事務への転職を、校舎へ歩く男女で表すイラスト

「もう30代後半だから無理かな…」
「社会人経験しかないけど合格できる?」こんな不安、よく聞きます。

新人あかり

社会人からの転職って、現実的にどうですか?

えりか主任

実は社会人からの転職組も多いのよ、私もその1人ね

✅ 30代・40代の合格者は実際に多い

近年、多くの自治体が「社会人経験者枠」を設けており、40代でも受験可能な自治体が増えています。
(東京都・大阪府・神奈川県など)

✅ 民間経験は大きな武器になる

学校事務では、以下のスキルが評価されます。

・Excel・Wordなどの実務スキル
・電話・来客対応の経験
・チームでの業務調整力
・予算管理や経費処理の経験

資格で見える形にしておくと、採用でさらに有利。

有利な資格と採用側の本音を解説しています。↓

学校事務に資格は必要?有利な資格と「採用側の本音」

えりか主任

民間での業務が、そのまま学校事務で活かせます

ただし、転職活動の進め方は新卒とは異なります。

社会人ならではの戦略が必要です。

【 社会人転職で気をつけること 】
・自治体ごとに 年齢制限・受験条件 が違う
・社会人経験者枠は採用人数が少ない(倍率が高め)
・面接では 「なぜ学校事務なのか」 を明確に語る必要あり

えりか主任

働きながらの勉強は” 時間との戦い “よ。
転職エージェントを使うのも立派な戦略ね

今の仕事で身についた強みが学校事務でどう活きるかは、冒頭で紹介した適性診断で先に確かめられます。

転職先に学校事務を考えている人は、参考になります。↓

よくある質問(FAQ)

学校事務に必要な資格はありますか?

特別な資格は不要です。公立の場合は地方公務員試験の 合格が必要ですが、簿記やMOSなどがあると実務で有利です。

  学校事務に資格は必要?有利な資格と「採用側の本音」

学校事務の年収はどのくらいですか?

公立の場合、初任給は月額18〜20万円程度(高卒初級)。

年功序列で上がり、40代で年収500〜600万円程度が目安です。 自治体や経験によって異なります。

社会人から学校事務に転職できますか?

できます。公立の場合は年齢制限内であれば受験可能です。

私立は年齢制限がないことも多く、企業の事務経験が評価されます。

大学生が学校事務になるには?

在学中から公務員試験の対策を始め、就活スケジュールに合わせて準備するのが成功のポイントです。

具体的な就活スケジュールや面接対策は、専用記事で詳しくまとめています。

学校事務は新卒でなれる? 大学生へ試験対策と面接対策を考えた就活スケジュールを解説

高卒で学校事務になれますか?

公立の地方公務員試験には「高卒程度(初級)」という区分があります。

これは学歴ではなく試験のレベルを指す区分で、高卒の人が受けやすいルートです。

学校事務は高卒でもなれる?学歴別のルートと給料の差を現役主任が本音で解説

学校事務と市役所、どちらが受かりやすい?

 一概には言えません。学校事務は採用枠が少なく倍率が高くなる傾向があります。

ただし試験内容は ほぼ同じなので、併願する人も多いです。

学校事務になるとは、” 学校という流れ “の一員になること

新人あかり

ルートはバラバラでも、結局求められるものは似ていますね

えりか主任

鋭いわね。学校事務になるとは、” 学校という流れ “を支える覚悟を持つことね。

新人あかり

” 流れ “の一員、ですか

えりか主任

先生・生徒・保護者・地域。みんなが関わる場で、書類や予算を通して” 全体を回す “の。

試験で問われるのも、結局「あなたはこの流れを支えられますか?」よ。

学校事務になるには、まず入口を決める

公立・国立・私立のどれが向いているかを3つの問いで示した図

タップすると拡大できます。

まとめ
  • 学校事務のルートは 公立・国立・私立 の3つ。最初にどこを目指すか決める
  • 公立は 地方公務員試験、国立は 統一試験+各大学面接、私立は 学校独自選考
  • 直近の倍率は自治体により1.6〜4.1倍程度(千葉・神奈川の令和6・7年度実績)。” 一律4〜7倍 “は古い情報
  • 教養試験は” 浅く全部 “より” 深く一般知能 “
  • 作文・面接で問われるのは結局 「なぜ学校事務なのか」
  • 書籍選びは” 他人のおすすめ “より” 自分との相性 “。書店で必ず中身を確認
  • 学校事務とは、技術より ” 学校という流れを支える覚悟 “ を持つ仕事
新人あかり

私も最初は不安だったけど、人と関わる仕事楽しいです!

えりか主任

学校事務の仲間が増えるの楽しみね

公立・国立・私立、どれが向いているか

最後に、15年間学校事務を見てきた経験から。

3つのルートで迷ったときの目安です。

  • 筆記の勉強を半年続けられる → 公立
  • 面接で自分を伝えるほうが得意 → 私立
  • 大学のキャンパスで働きたい → 国立
  • 転勤があっても雇用の安定を取りたい → 公立
  • 一つの学校に腰を据えて働きたい → 私立

どれにも決めきれない人は、3つとも受けてかまいません。

公立と私立は選考の時期がずれることが多いので、両方を並行して進めることが可能。

机に向かう半年が積み重なったとき、その姿勢こそが現場で求められる「 学校事務の素質」そのものになっているのです。

勉強の順番を、ひとりで抱えなくても大丈夫。

講座のカリキュラムを見ると、何をいつやるかが決まっています。

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もっと深く学校事務について知りたい人はこちら ↓

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

私立高校で学校事務歴15年の現役事務主任です。
採用面接にも携わってきた経験から、
学校事務の仕事内容・給料・なるには…を
現場の本音でお伝えしています。
学校事務を目指す方の力になれれば嬉しいです。

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